
正倉院 THE SHOW @ 上野の森美術館
正倉院の宝物を体験できる企画展を見学してみた、蘭奢待の香りとはいかに。
正倉院
奈良時代、聖武天皇が愛用した数々の品が1300年間にわたり保管される奈良 東大寺 正倉院。勅許がなければその扉を開くことが許されない勅封制度によって守られた貴重な宝物。秋の時期 年に1度だけ開かれ、点検と調査・研究が実施されますが、それにあわせて一部宝物が奈良の地で一般公開されます。
そんな歴史のロマンがつまった正倉院の宝物を、より気軽に体感できる企画が、今回の正倉院 THE SHOWらしい。目玉な歴代の天下人が魅了され欲したとされる香木 蘭奢待(らんじゃたい)の香りを、分析・再現したものを体験できる企画、気になりますよね。
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混雑が予想されたので開館の10時少し前に現地に到着したのですが、すでに前売りチケットをお持ちの方で長蛇の列。その後ろ、さらに長いチケット購入列に並びます。事前にチケットを調達しておくべきでした、失敗。これから行く予定の方はご注意ください。入場まで50分ほどかかりました。
WEBページやポスターなどに明記され、チケット購入時にもアナウンスされましたが、この展示には宝物実物の展示はありません。あくまでレプリカや再現模造品の展示と、正倉院にまつわる映像が鑑賞できる企画となります。
(それ故か展示物の撮影も可)
本物ではないとはいえ、再現模造品は、正倉院宝物をもうひとつ作ることを目的に、当時の素材・技法を調べてできる限り忠実に再現されたもので、見ごたえはありました。

歴史の資料集で見覚えがあり、天平文化といえば真っ先に思い浮かぶ、こちらの螺鈿紫檀五絃琵琶も再現模造品。緻密な装飾には目を見張るばかり。

正倉院の宝物を守るために閉ざされた、勅封を再現した扉の展示。この鍵は本物とのこと(現地 正倉院の宝物が現在 開封されているということなのでしょうか)。
勅許に基づき扉が開かれる開封の儀や、再度 扉を閉じて勅封を施す様子をおさめた映像も興味深かったです。

先へ進み蘭奢待のもとへ。こちらは大河ドラマ 麒麟が来る の撮影で使用されたレプリカ。放送当時、あまりの精密さに、本物がでてきたのかと(そんなわけがない)思ってしまったくらい。レプリカながら実物の迫力はすさまじかったです。
(AdobeのAI先生にいろんな映り込みを誤魔化してもらっているので、やや背景に不自然な部分がありますが、見逃してください)

またレプリカ蘭奢待の周囲には再現された蘭奢待の香りを体験できるコーナーが、早速 香りをかいでみます。最初に甘い香りを感じ、その後ろにどこかスパイシーな感覚を覚えつつも、別の優しい香りもやってくる。例えるならば。。。「まだ青さを残した真新しい畳の香りに包まれながら、シナモンやカルダモンをきかせた甘くスパイシーなチャイティーを飲んでいる気分」かしら。
最後にSHOPにて
ギフトショップで記念になるものを見繕います。こちらでも蘭奢待は大人気で、限定の香りカードを入手。お財布や名刺入れに入れておくと2ヶ月ほど香りが継続するとか、もったいなくて、まだ開封の儀ができておりません。。。
また、展示の最後、あまりの美しさに見入ってしまった、瀧本幹也さん撮影の正倉院 校倉造をとらえたモノクロ写真。こちらのポストカードセットも購入。デスク横、ふとした際に目に入る場所に飾っておきます。
なかなかの混雑ぶりでしたが、蘭奢待を体感でき、宝物を守る勅封についても知ることができ、大変有意義な時間でした。宝物実物が鑑賞できる奈良の正倉院展にも興味がでてきてしまったぞ。。。
最後に1枚、鮮やかな色彩も。
