パソコン、インターネット、ホームページ、SNS、WEBサービス、その先へ

令和の時代が始まり1か月弱。さかのぼることその1月程前、Yahoo!ジオシティーズというサービスがひっそりと姿を消した。私にとって思い出深く、その後の人生に大きな影響を与えたもの、ICTの道へ進むきっかけになった存在。Yahoo!ジオシティーズから始まった私のWEB半生を振り返る。

(私にとっての)WEB黎明期

時は、地元 東海圏が「愛・地球博」に沸く2004~2005年、ピポパポ♪ピーーッガーー♪ と不思議な音をたてるノロノロのダイアルアップ接続からADSLへ自宅の環境が切り替わった頃合い。当時 中学生だった私は、Yahoo!Japan上の「ホームページ作成」というリンクを踏みジオシティーズの存在を知って以降、HTMLを駆使したホームページの作成に夢中になった。覚えたてtableタグとcolspan、rowspanを駆使して組み立てた枠組みにpngやgifのバナー画像を配置したり、マーキーで”ようこそ!”なんて文字を電光掲示板みたく流してみたり… 当時はもう一つの趣味だった自作小説を公開するサイトと、地元の鉄道・飛行機写真を公開するサイトをYahoo!ジオシティーズ、その後 忍者ツールズの2サービス上で運営していた。どちらかというとこの頃は何かを発信したい、というよりはホームページを作ること自体、HTMLをコーディングすること自体に楽しみを見出していた。とはいえ、飽きっぽい性格故に長続きすることもなく、作ったホームページは自然と廃墟と化していった(黒歴史化を避けるため、大学時代に覚えているものについては一通りcloseしていった気がする)。

当時流行り始めていたブログも、とりあえず初めてみるか程度の感覚で開設するも、特に面白みのない日記を時々投稿してみると長続きすることはなく…

積極的活用へ

大学入学の1年後、所属していた団体の広報担当(自称)としてWEBページの作成に着手。団体の顔になるWEBページなのでこれまでのようにお遊びというわけにはいかない、という心構えで。中学時代の知識をベースにしつつ、習得できていなかったCSSを学びなおし、時間を見つけながら約1か月ほどかけて当時のスタンダードだった3カラム(メインコンテンツ・ナビゲーションバー・サイドバー)のページを作り上げた。フラットデザインの風潮に流されて途中1度 見た目を大きく変えたことはしたものの、このとき作ったサイトを以後4年弱 運用した。またこの期間中、サイトのソースコードは、私自身の実習授業の成果物や、依頼を受け設計・運用を支援した大学祭WEBページにも活用した。

コンテンツを「作る」から「配信」する時代へ

その後、4年の月日が流れる。ちょうどこの頃、1ページ1ページ ゴリゴリコーディングしてリンクを貼るコンテンツを「作る」こと、「作って終わり」からから、あらかじめ用意されたフローにのっとり継続的に「配信する」形態にWEBの主流が切り替わってきた。WordPressに代表されるCMSの台頭、Jimdo・Wixのようにノンコーディングでありながらそれまでの"誰でもできる無料HP" とは違った本格的なWEBページを作成できるツールの出現。そしてSNSとブログ、CMSのいいとこ取りを実現しているtumblr。

1ページ1ページ手作りすることに疲弊し飽き始めていた私はtumblrの魅力に取りつかれていた。twitterやfacebook、instagramのような手軽な使い方にも、まとまった文章を書くブログ用途にも使える。前述のSNSに比べて遥かにカスタマイズの自由度が高く、標準機能で不足する部分はJavaScriptで独自のロジックを埋め込むことで改善できる。WordPressのようなCMSにはカスタマイズ性で劣るものの、できること・選択肢が少ない分、仕組みがシンプルで取っつきやすい。そして現在、私はこのtumblrというプラットフォーム上に、コンテンツを配信する仕組み(テーマ、カスタマイズロジック)を「作り」、同時にその上で日々 コンテンツを「配信」している。

話を戻すと、大学院を修了する半年前、この枠を「作る」と、コンテンツを「配信する」という切り分けができるツール(tumblr)へ学生団体のWEBページも移行した。ちょうどページを作るたびにHTMLをゴリゴリ書く無茶な運用にも限界を感じ始めた頃合い(複数人で書き換えた結果、ソースコードはスパゲッティ化を極め、バージョン管理なんて考え方もツールもない世界、誰かがCSSに追記した1文が原因で崩れたデザインを修正するのも一苦労。またこれまで管理していたメンバーの卒業・修了時期が重なったいた)「作る」ことができなくとも「配信する」ことができれば、当面は持ちこたえられるはず。

「作る」から「動かす」時代へ。そしてその後は

目下 私の休日の嗜みは、これまでの「作る」から少し進んみ、WEBサービス「動かす」ことにシフトしている。ここ数年HerokuやGoogleAppsSpript等、一定の範囲内であれば無料でアプリケーションを動かせるクラウドプラットフォームが広まり、WEBサービスを「動かす」ことの敷居が随分下がってきた。するとこれまでできなかったことが比較的 簡単にできるようになってしまうわけだ。

例えばこのサイトの片隅にひっそり存在するPhotoLog。1年ほど前からGoogleドライブ上で動かすことのできるRDB FusionTableの機能を用いて実現している。そのうちFusionTableへの登録部分はGoogleAppsScriptに開発したWEBアプリを介してスマートフォンから実施している(ただFusionTableはこの夏 サービス終了となるため、早急に代替手段を探せねばいけないが)。

他にも一人暮らしする上で必要な家計管理。ここ3年間は、Ruby on Railsで開発したWEBアプリをHerokuとHeroku PostgreSQL上で運用している。今年の1月からは、1から作り直した2代目システムの運用をスタート。フロントUIにVue.jsを採用したことで、開発する立場からも、使う側の立場からも、勝手の良いものとなった。バックエンドはHeroku上のrailsアプリケーション(データの登録・編集)とGoogleAppsScript(定期jobの実行・メール配信)を活用、それぞれの使いやすい部分を使って行くスタイル。

いまはまだ、自分が使うシステム・サービスを自分で作っているだけに過ぎないが、いずれはこれらで得られたことをベースに、公開できるものを作ってみたいと思う。

ICT、WEBの技術進歩や流行り廃りは非常にはやく、その流れについていくのは容易ではない。そうした変化を"楽しみながら"受け入れていければよいな、と思う。とはいえ私自身、新しいものは好きだが、必ずしも新しいものが素晴らしく古いものが劣っているとは思わない。領域や対象、その時々の状況によって何が最適化なんて変わってくるはずだから(学生時代、私の研究は領域や対象の特質上、どちらかといえば古典的なアプローチを取らざるを得なかった。そうした中でも古典的なものと新しいものを融合させたハイブリッドな手法で進めていたものの、世間からは古典的なアプローチなんて という視線を少なからず感じることもあり…)。

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